今回、7月20日に南道路(吉島側)の現場を視察しました。
本件の床版コンクリート工事では、コンクリート打設後に水撒きを2週間午前中と夕方2回行い、その間、マットをその上に敷いた状態にして水分が無くならないようにして湿潤養生が行われたそうです。こうすることによってコンクリートは水とセメントとの化学反応(水和反応)によって、徐々に強くなっていき、2週間もすれば強いコンクリートに成長いくそうです。ほとんどの構造物が5日以下しか湿潤養生をしておらず、乾燥したままにしていたため、あまり強くならず、空隙だらけのものが多く、空気や雨水が侵入し易く、そのため、劣化したコンクリート構造物が多く、日本は、これ等のインフラ施設を補修補強していくために、今後50年間に190兆円の修繕費を要するといわれています。建設直後の2週間程度の湿潤養生で50年間以上、何も補修補強をしなくても良い構造物を実現できるそうです。この高架橋では、国土交通省中国地方整備局が長寿命化試行工事として総合評価審査委員会で米倉委員の意見に基づいて発注してくれたそうです。
壁高欄の誘発目地間隔は、通常10m間隔のところを5m間隔に設定し、ひび割れを、この箇所に誘導するようにして、将来、ひび割れの発生は、誘発目地以外では生じないように壁高欄の目地間隔は、通常10m間隔のところを5mに設定、誘発目地のところにだけひび割れを集中させるようにして、ここだけを補修すればよいようにして長寿命化を図っていくようにしていると説明されました。
床版コンクリート工事をした高架橋の高欄の歩道側に取り付けられた銘板には、一番下に「技術指導」として、広島大学名誉教授 米倉亜州夫」と表示されています。
米倉亜州夫
(株)米倉社会インフラ技術研究所 代表取締役
広島大学名誉教授、工学博士
土木学会名誉会員、日本コンクリート工学会終身会員、コンクリート主任技師
詳しくは(株)米倉社会インフラ技術研究所のホームページをご覧ください。
https://www.yonekura-infra.com/